大江の魅力

神と鬼の戯れる郷

『緑と伝説に包まれた1万人のユートピア』

これは大江地域が福知山市に吸収併合される前、まだ加佐郡大江町だった時代の町のキャッチコピーです。

大江町は京の都から比較的近い位置にあるにもかかわらず、歴代権力・文化の狭間になっている地域でした。そのため、自然環境も歴史的にも非常に特殊な地域として発展しました。

自然界に着目すれば、岩石層が大江山連峰を境にして、大雑把に「火成岩中心地域」と「堆積岩中心地域」とに分かれます。そこに根を下ろす植物は、山の高さによって「冷温帯性植物相」と「暖温帯性植物相」とに二分されます。

また、他のいくつかの植物相が交差している地域として専門家の間では有名です。その豊富な植物を求めて多くの種類の昆虫が、さらにその植物と昆虫を求めて多くの野鳥が集まる地域であることもよく知られています。

いっぽう、町の中央を南北に貫流する由良川は、動植物の東西の生息境界にも当たります。また、町域まで海水が逆流する汽水域にもなっています。

地域住民のルーツに目を向けてみれば、由良川流域や大江山連峰周辺には、平安時代の平家から戦国時代の土豪まで、落人の家系が多いことに驚かされます。つまり、権力の狭間に埋もれていた時代が長いということです。

その影響のせいか、町の真ん中で方言や文化が分かれます。江戸時代には、大江山に近い地域は旧宮津藩の領土だったので宮津弁が、由良川筋は旧舞鶴田辺藩の領土だったので舞鶴弁が話されていました。

今はテレビの影響により、どの地域でもなんとなく関西弁ですが。

歴史や遺跡に目を向ければ、元伊勢伝承や鬼退治伝説などの逸話、条里制、古代川湊跡、古代たたら製鉄の痕跡などあります。これらの存在は、この地域が古代から、その時代の支配者や権力者にとって重要な地域として認識されていたことを証明しています。

自然や方言、文化など、いろいろな境界が混在する町・大江で、新しい境界を探してみるのも楽しいかもしれませんよ。